安全な医療を提供するための取り組み
済生会吹田病院
安全管理室
大阪府吹田市川園町
安全管理室の役割とは
安全で質の高い医療を提供するための組織体制として、安全管理室を設置し、医療安全担当副院長が安全管理責任者として内部統制を図っています。
安全管理室には、医療安全グループ、感染管理グループ、個人情報保護グループ、高難度新規医療技術評価グループの部署があり、組織横断的な取り組みを行っています。また、職員への教育として、全職員を対象に院内研修会を開催し受講を義務付けています。
医療安全グループ
医療事故防止の徹底を図るため、「人間はエラーをおかす」という観点に立ち、個人の責任追及ではなく、安全が確保できるシステムの構築を行うために原因の分析を行い、改善策を実施しています。改善策を周知させるために、全職員へ毎月セイフティニュースを配付しています。その後は改善策の評価を行い、必要に応じて見直しを図っています。
インシデントやアクシデントなどの報告として、死亡事例と通常の経過では必要がない処置、または治療を要した事例のインシデント報告も義務付けています。これら全例を検証し、必要時には関係者とカンファレンスを行い、詳細を確認しています。また、全職員を対象としたM&M(Morbidity & Mortality/合併症および死亡)カンファレンスを開催し、医療の質向上に努めています。また、退院事例においては病歴管理室と連携し、JCOG(日本臨床腫瘍(しゅよう)研究グループ)の術後合併症規準を基に問題事例を抽出しています。
高難度新規医療技術の導入プロセスを明確にし、遵守状況を確認しています。
感染管理グループ
院内感染防止対策を講じるために、院内に感染制御のチームを設置し、院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止などを行っています。
感染制御チームは、1週間に1回と定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を実施しています。また、院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランス(調査・集計)などの情報を分析、評価し、効率的な感染対策に役立てています。院内感染の増加が確認された場合には、病棟ラウンドの所見およびサーベイランスデータなどを基に改善策を講じています。さらに微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進しています。バンコマイシンなどの抗MRSA薬、および広域抗菌薬などの使用に際して届出制をとり、投与量、投与期間の把握を行い、臨床上問題になると判断した場合には、投与方法の適正化を図っています。院内のみならず、地域の医療施設や高齢者施設に出向き、教育や指導を実施しています。
更新:2024.10.21