認知症になっても、地域で安心して暮らせるまちづくり

釧路孝仁会記念病院

認知症疾患医療センター

北海道釧路市愛国

当院は2014年に北海道から認知症疾患医療センターの指定を受け、認知症外来を行っています。

認知症疾患医療センターとは

保険医療・介護機関等と連携を図りながら、認知症疾患に関する対応や専門医療相談を実施するとともに、地域保健医療・介護関係者への研修を行います。また必要に応じて、診断後等の日常生活支援を実施することにより、地域において認知症に対して進行予防から地域生活の維持まで、必要となる医療を提供できる機能体制の構築を図ることを目的としています。

(認知症疾患医療センター運営事業実施要綱より)

認知症外来受診までの流れ

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相談・予約

専門の相談員が対応しています。症状や既往歴、どのようなことに困っているかなど、話を聞いて、受診や検査の調整を行います。相談は無料です。どなたでも利用できます。

※認知症外来は予約制です

受診・検査・診断

検査内容:①採血、②心理検査、③MRI、④心電図(その他、必要に応じ脳血流検査、脳波など)

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診断後支援・フォローアップ

診断に応じて、生活指導や家族指導、介護保険の案内、ケアマネージャーやかかりつけ医への連絡調整を行います。半年~1年ごとに受診してもらい、症状に変わりがないかなどを確認します。

介護保険の申請や成年後見制度の利用などを希望する方には、診断書作成などの対応も行っています。また、高齢者の運転免許更新時に行われる認知機能検査において、医師の診断書提出が必要になった方の受診相談も受け付けています。

認知症初期集中支援チーム

もの忘れが原因で生活に困りごとがあっても、なかなか受診につながらない方もいます。

当院では釧路市と連携をとり、認知症が疑われる住民の方で医療や介護サービスにつながっていない方や、対応に苦慮している方に対して看護師や精神保健福祉士が地域包括支援センターの職員とともに訪問し、生活支援のサポートを行います。

当院での認知症予防、啓発活動の取り組み

全国的にも高齢化が進み、それに伴い認知症になる高齢者も増えてきています。

認知症を予防するために生活習慣の改善や運動などに取り組むことも大切ですが、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりも重要だと考えています。当院では市町村の各地域包括支援センターなどと連携をとり、正しい認知症に関する知識の普及や予防教室などの開催に力を入れています。

認知症になっても、早期発見、早期受診により適切な治療やケア、介護サービスなどの支援を受けることができれば、住み慣れた地域で今まで通りの生活を送ることも可能です。

また、認知症だけではなく、脳梗塞(のうこうそく)や水頭症(すいとうしょう)など、治療により改善が期待される病気が見つかることもあります。もの忘れに関して困りごとがありましたら、相談してください。

更新:2024.05.31