がんの診断に欠かせない病理診断科

札幌孝仁会記念病院

病理診断科

北海道札幌市西区宮の沢

どうやって診断するの?

病理診断科は検査で得られた体の一部を顕微鏡で診断する科です。例えば、内視鏡検査で胃や腸の一部を取ってくることがあります。これを生検といいます。その生検材料を病理検査室で、顕微鏡で診るための標本にします。それを病理専門医(日本専門医機構認定)が顕微鏡を見て、診断します。胃や腸から得られた生検の主な病理診断業務は、それががんかどうかというのを確かめる仕事になります。

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図1 顕微鏡で見た正常大腸
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図2 顕微鏡で見た大腸がん

どんなことに気をつけて病理診断をするの?

胃や腸から得られる一部は、ミリ単位の小さな組織ですから、胃や腸の全体を見ているわけではありません。そのため、病理医に伝えられる臨床医(患者さんと直接話して診断する医師)の所見や患者さんの症状などが、顕微鏡で見て診断したことと一致しているか、ということに気をつけて病理診断しています。特別な病理標本の染色が必要になり、時間がかかる場合もあります。

病理組織から化学療法へ

病理組織の中に検出される遺伝子の変異やがん抗原の検査によって、より特異性が高く、より副作用の少ない分子標的治療(ぶんしひょうてきちりょう)(ニボルマブなど)といわれる化学療法での治療が可能となる場合があります。このようにして、病理検査は診断だけでなく、幅広いがん治療の可能性の材料となることも期待されます。

更新:2025.02.06