頭のてっぺんから足先までの全身を診る
札幌孝仁会記念病院
放射線診断科
北海道札幌市西区宮の沢
放射線診断科とは?
なじみのない科ですね。しかし、病院を受診した多くの方はCT検査やMRI検査を受けたことがあると思います。また健診のがんPET(ペット)検査が気になる方もいるでしょう。
患者さんが受診すると、各科の医師が必要に応じてCT検査やMRI検査、核医学検査やPET検査を依頼し、放射線技師が撮像しています。放射線診断専門医(日本医学放射線学会認定)は、①検査適応の相談、②CTやMRIなどの撮像時に目的部位や臓器に合わせた撮像法の指示、③放射線技師と協力して放射線被ばくを低減しながら診断に必要な画像の作成、④撮像された画像の解析・読影し、報告書として各診療科の医師の手元に届ける、⑤主治医のコンサルタント、などを通して臨床医の診断を支えています。

2020年当院最初の新型コロナ肺炎の例。両側肺野にすりガラス状影が多数みられます(赤矢印)

右肺下葉に16mm大の肺がん(赤矢印)と肺門・縦隔リンパ節転移(黒矢印)

たこつぼ心筋症。負荷時、安静時ともに心尖側の血流が低下しています
直接患者さんとかかわることは少ないですが、画像診断なくしては診療の進まない現在、患者さんの病気の診断・治療や経過にとって重要な仕事です。
放射線診断専門医・核医学専門医のいる病院
日本のCT・MRI保有台数は対人口比で世界一ですが、対人口比の放射線科医数は米国のわずか4分の1です。国内には約34万人の医師がいますが、放射線診断専門医は5,600人ほど、核医学専門医は900人ほどしかいません。国内で放射線科医が常駐する医療機関は全体の20%以下です。そして日本は世界一の医療被ばく大国で、2004年のLancet誌の報告では欧米の3倍の医療被ばくといわれています。
胸部CT検査を1回受けると胸部X線撮影の40〜215倍の線量に達し、腹部骨盤CTではもっと多く、撮像回数が増えるごとに被ばく量も増えます。こういった医療被ばくの軽減にはCT装置製造会社の努力と協力、放射線技師と放射線専門医の連携で、撮影の工夫や患者さん単位での被ばく線量の最適化が重要になっています。
当院では、患者さんが安心・安全に検査を受けられるよう、看護師の介助や看護、放射線技師、放射線診断専門医の管理のもと日々の検査を実施しています。
更新:2024.07.29