リハビリテーション部のさまざまな取組み

山梨大学医学部附属病院

リハビリテーション部

山梨県中央市下河東

リハビリテーション部について

現在リハビリテーション部は、理学療法士12人、作業療法士5人、言語聴覚士3人の計20人と頭頸部(とうけいぶ)・耳鼻咽喉科所属の言語聴覚士2人で、院内のリハビリテーションを担当しています。当院は、2022年8月時点で県内唯一の特定機能病院であり、高度な治療を行っている各診療科と連携し、患者さんごとに適したリハビリテーションを、より早い時期から開始しています。

昨今の病院は、医療従事者がそれぞれの専門性をもち、業務分担しながら連携して医療を提供する、チーム医療が当たり前となっています。リハビリテーション部も、院内の褥瘡(じょくそう)チーム、栄養サポートチーム、排尿ケアチームのメンバーとして、多くのチームへ貢献しています。

専門性の高いリハビリテーション

リハビリテーション部は、多くの診療科のさまざまな疾患の患者さんに対して、専門性の高いリハビリテーションを提供しています。

脳卒中など脳血管疾患の患者さんは、手術後、集中治療室での管理が必要なときから、安全に配慮しながらベッド端に座る練習や立つ練習を始め、早く日常生活に戻れるようリハビリを行っています。脊椎(せきつい)の疾患、膝や股関節の運動器疾患の手術後の患者さんも、術後翌日もしくはその次の日に車椅子へ移る練習や歩く練習から始め、階段昇降練習や日常動作訓練を行って、3週間での退院をめざしています(写真)。また当院は、新型コロナ陽性の患者さんに対しても、リハビリスタッフが感染対策をしたうえで、体力改善や呼吸リハビリテーションの介入をしています。

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写真 機能訓練室でのリハビリテーション

さらに当院は、がん診療連携拠点病院となっており、入院中のがん患者さんに対しても、体力維持、日常生活動作の改善や在宅復帰などを目的に、リハビリテーションを提供しています。

がんのリハビリテーション研修の修了者はリハビリスタッフ全体の8割になりましたが、質の高いがんのリハビリテーションを提供するためにも、全員修了をめざしていきます。

さまざまな診療科との研究活動

リハビリテーション部では、さまざまな診療科と共同研究を行っています。眼科との共同研究では、目薬の点眼補助具の開発のため、作業療法士が入院患者さんに協力してもらい、身体機能の評価をし、実際に点眼動作をビデオカメラで撮影して、首の動きを分析しました。その研究データをもとに、点眼補助具の商品化に協力することができました。

整形外科との研究では、入院する患者さんにロコモティブシンドロームのロコモ度チェックの評価を行い、退院後も外来で受診されるたびに評価をして、術後の移動機能の変化を調べています。継続的に評価をすることで、ロコモティブシンドロームになりやすい要因の傾向を調べています。

リハビリテーション部では、多くの診療科とかかわれる環境を生かして研究にも力を入れ、研究成果が学会発表を通じて社会貢献につながるよう努めていきます。

更新:2024.04.26