心臓弁膜症について教えてください

循環器内科 心臓血管外科 

心臓弁膜症とは?

心臓の中には右心室(うしんしつ)(肺に血液を送る)と左心室(さしんしつ)(全身に血液を送る)があり、血液の流れを一方向にするために、それぞれの入り口、出口に弁があります。弁膜症とは、弁が傷(いた)んで異常をきたした状態です。

弁が狭くなった場合は「狭窄症(きょうさくしょう)」、弁の逆流を生じた場合は「閉鎖不全症(へいさふぜんしょう)」といいます。重症化すると、血液の流れに障害をもたらし(血流うっ滞)、息切れ、動悸(どうき)、むくみなどの心不全症状が出てきます。悪化した状態を長年放っておくと、心臓の拡大と筋力低下を招き、正常な心臓に戻ることが難しくなります。手遅れになる前に治療を始めることが大切です。

内科治療では、尿を増やす薬や、血圧を下げる薬を使用しますが、重症の場合は入院が必要となり、酸素を吸入したり心筋の収縮力を高める薬を使用したりします。投薬治療を行っても心不全症状が改善しなかったり、繰り返したりする場合には外科治療の対象となります。また、心不全症状を自覚する前でも、心臓超音波検査や心臓カテーテル検査で弁膜症の程度が重度であれば、外科治療を行います。

どんな外科治療があるの?

根本の弁を治療して狭窄や逆流を治すのが外科治療です。悪くなった弁を修復する弁形成術(図1)と人工弁で交換する人工弁置換術(じんこうべんちかんじゅつ)(図2)があり、弁の傷み具合や患者さんの年齢によって方法を考えます。

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図1 僧帽弁形成術
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図2 人工弁置換術

人工弁には生体弁(ブタや牛の心膜を利用)と機械弁(長持ちしますが血栓予防の薬が一生必要)があり、65歳以下の若い方には機械弁が勧められますが、高齢者には生体弁のほうが安全性が高いため多く用いられています。一長一短ありますので、専門医と相談してください。

更新:2022.03.29